仕事で使うメールには、正しい日本語を使いたいもの。
しかしながら人間である以上、間違いは避けられません。
指摘しあって少しづつ修正していければいいのですが、相手に恥をかかせては悪い、と遠慮せざる負えません。
誰も指摘せず、誰にも指摘されず…そして永遠と受け継がれていく誤用文化。
私自身、国語の先生ではないですし無自覚の誤用はいっぱいあると思います。
自戒の念もこめて、書いておきます。
目次
散見される誤用
~ずらい:市民権を得つつある誤用
見ずらい、食べずらい、話しずらい、などなど。
「辛い」なので「~づらい」が正しいのですが、もはや世間一般に浸透している感のある誤用。
「新しい」という言葉の読みは元々「あらたしい」で、現在は「あたらしい」が使用されています。同様に、づらいがずらいに置き換わる日も近いかも。
永遠と:僕が言いたいのは永遠
延々(えんえん)と~ もしくは 永遠に~ とかならいいんですけどね。
声に出しても違いに気付かないため、ひっそりとあなたのそばに寄り添い続ける、厄介なやつです。
うる覚え:うるっと滲んで不確かな様子?
うろ覚えの間違い。いちど上司からのメールに「うる覚え」が使われていたことがあり「うろ覚えですよね…」と指摘したところ「うり覚えで書いてしまいごめんなさい!」と返事がきました。
指摘せずにいられなかった自分も浅慮だなぁと思いつつ、とっさに返してきた上司のコメントに感心。ユーモアって大事だなと思います。
せざる負えない(せざる終えない):意味不明
「せざるをえない」を「せざるおえない」と覚えているのが原因。
漢字変換のパターンは人それぞれ。やむ負えないというのも見たことあるなぁ。
メモリ(目盛り):アナログなのかデジタルなのか…
記憶域としての意味で使うメモリと、温度計や計量カップなどの目盛りがごっちゃになっているパターン。
「5メモリぶん動かします」とか。あなたにはメモリが見えるのか。近未来ですね!
著名・署名
それぞれ入れ替わって使われることあり。字も語感も似ているので、間違っても気づかれにくいのがポイント。
定員さん:エレベーター?
店員さんの誤用。音の響きで覚えてしまうのか。
「定常的にお店にいる人だから定員さん」と考えると、文字にしても意味が通っているような…そう思えてしまうのが注意点。
スプリクト
正しくはスクリプト。ジャバスプリクトとか平気でいう人がいる。でもそういう人の周りにいる人は、はじめから理解していないか、脳内変換力の高い人なので問題なし。
昔「スクライド」というアニメがあって、その中に「マッド・スプリクト」という狙った名前の能力が出てきました。これで覚えちゃったならしょうがないですね。お前には速さが足りない!
耳ざわりの良い
「肌触り」や「舌触り」と違って「耳障り」と書くので、これはそもそも不快なものを示す言葉なのでおかしい、って国語の授業か何かで習いました。
ディスクトップ:不安定な足場だな!
デスクとディスクの間違い。ヘルプディスク、サポートディスクとか。デスク(机)が正解。ちなみに「ディスク」はこれまたややこしく、DISCとDISKというふたつの表記があります。DISC=CDやDVDなどの光学メディア、DISK=ハードディスクやフロッピーなどの磁気メディア。
どっちのディスクのイメージで使っているのかわかりませんが、どっちにしろ間違い。
ご質問します。
「質問します」が正。なんですけどあまり気にするほどではない。
ご教授ください
この言葉を使うようなときは、「ご教示」の方がしっくりくるパターンが多いです。
適応、適用
適用:法律・規則などを、事例にあてはめて用いること。
適応:その場の状態・条件などによくあてはまること。
うまく言葉にできなかったので辞書で調べちゃいました。
セキュリティパッチをあてる場合などは「適用」が正ですね。
「パッチを適応します」っていうと、パッチがまるで万能細胞みたいにあらゆる環境に順応していくようなイメージがわきます。そんなパッチあったらいいけどね。
余談
私は、「出産祝いありがとうございます」と書こうとして「出産依頼ありがとうございます」とメールしてしまったことがあります。
誤用っていうか、ただの誤記ですけど。「依頼していません」って返事がきました。